アメリカ建築とシェーカー家具 Ⅲ
うたたね建築デザイン室で設計やらせていただいていいます黒です🐏
前回までのブログを見られていない方は、是非、ご覧ください!
今回は、前回の続きで、「木をまるめていこう🌞」
前回、木を煮ると柔らかくなることご理解いただいたと思います。
今回は、柔らかくなった板から、どうやってオーバルボックスを作っていくのかというところをご説明したいと思います。まず、目安となるゲージ(型取りされた見本)に、柔らかくなった木を当てていきます。
「あてをつける」という諺(ことわざ)がありますが、まさしく、諺(ことわざ)通りの「あてをつけて」、巻きはじめるスタート位置に印をします。(※印をつける。=あてをつける)
そして、なんとなく丸まった木板を止めるため、釘打ち台に持っていき、「カン」で「あて」を目安に丸めながら釘を打っていきます。
釘を打つというより、「かしめる」感じですね。釘先を鉄台にぶつけて、潰しかしめます。
ここでお伝えしたいのは、一切、接着剤を使わないということなんです。
接着剤なしで、釘だけで「かしめ」止めていきます。
ここは職人の腕というか感性が問われるところで、ガイドを使って「あて」はつけましたが、あくまで丸めて造形を作るときは、人の「カン」なんですね。
重要なことなのですが、手工業、手工芸の多くが、「あて」や「カン」で作られるのです。工芸だけではなく、歌や文章、絵なんかもそう🌻
当然、人によって、「あて」や「カン」が違いますから、
これが「味」になるんです。
確かに工業用製品と同じで、「同じようなものを沢山作る」っていうことは市井の庶民が使う生活道具にも必要な要素です。
ただ、どれだけ同じように作ろうとしても、「くせ」が出るのが、よい「味」なんですね。
こういう癖を味として楽しんだ、日本の文化、素晴らしいですよね🏰落語家さんの落語と同じです。同じ話でも、演者によって面白さのポイントが違いますでしょ☺️
有名楽曲のカバーアルバムなんていうのも、同じですよね🌲演者によって原典に味が加わるんですね。ハンドメイドのアーツクラフトも全く同じ!
今日、覚えて頂きたいのは、「あてをつけて」「カンで丸める」。
手工芸は作り手の感性で差異が出て、同じものは一個もない。というところでしょうか🐺
いつかミルスペックの差異なんかについてもお話ししたいですね!
人だけではなく、工場によっても違いがあるんですね。たとえ工業製品であっても。
50年以上前に作られた工業製品が、どこの工場で作られたのかわかるんですよ。
工場なりの「当て」や「カン」があるんです。
非常にマニアックな話になってきますので、今日はここまでです😃
ではでは ここまでお付き合い頂きありがとうございました!