朝倉台の家 御幣作り
朝倉台の家は棟上げが終わりましたので、
お施主様ご家族と上棟式をさせて頂くことになりました。
上棟式といっても盛大にではなく「御幣」(ごへい)を屋根裏に飾ることを目的として行わせて頂きました。
棟上げよりさかのぼること1週間前。
せっせと御幣を自作しておりました。
桧の無垢材を材木屋より仕入れて頭をお山にカットして、
紙垂と扇子が固定できるように溝加工を施します。
(これ全部神社で購入出来ますが、自分で作りたいんです)
出来上がりました!
御幣は地方により飾る物が違い、京都ではおかめの面をつける風習があります。それはおかめの面の発祥の由来があるそうです。
鎌倉時代に名工と言われていた棟梁が京都の千本釈迦堂の本堂造りに取り組んでいた際に誤って大事な柱を短く切ってしまったとのこと。その事に落ち込み塞ぎ込んでしまった夫を心配した妻のお亀が仏様に自分の命と引き換えても良いから夫を助けて欲しいと願ったところ、柱の上に新たな木組みを設けるというアイデアを授かったそうです。そのお陰で棟梁は救われましたが、棟梁が妻の助言を取り入れたことが世に知られてはいけないと上棟前にお亀は自害してしまったそうです。棟梁は妻の冥福を祈り御幣に妻の顔を模したお面をつけて上棟祈願したことが風習として残っているそうです。
本人の建築に対する命懸けの真剣な思いが家族にも伝わりすぎた悲哀ある物語で思い出すたびに身が引き締まる想いになりますね。
御幣を作って飾るという新築工事のルーティーンはこのためにあるのかも知れませんね。
棟上げの直後の吉日に御幣を飾り、お施主様と安全祈願を行いました。
御幣には施主様のお名前を記入してもらいますが
それを見ていたお子さん2人も僕も私も書きたいとのことで
ご家族全員連名で書いてもらい張り切って参加してもらいました。
最後には記念撮影。
喜んでもらえてとても良かったです!
安全祈願も無事に終わりましたので、本体工事に入っていきます!